2014年2月11日
もうすぐ確定申告:2 医療費控除のやり方
連載でお届けしている確定申告の話。今回は医療費控除の大まかな流れのご紹介です。 この記事は連載の一部…
Kotonoca
風通しのいい暮らしを。コトノカ。
先月、94歳でお亡くなりになった、やなせたかしさん。子どもたちの人気者、アンパンマンの作者として有名です。
私は、テレビで気持ちよさそうに歌う、陽気なやなせさんを何度か拝見して、その人柄にも惹かれていました。
94歳。天寿を全うされた、というお歳です。それでも、とても寂しい思いがします。
「わたしが正義について語るなら」。やなせさんが90歳のときに書いた本です。
もともとは正義について、子ども向けに書かれた本。でも、やなせさんの人生観、仕事観なども知ることができる、 大人にとっても読み応えのある1冊です。
アンパンマンが生まれたのは、やなせさんが50歳を過ぎてから。 しかも、最初は「こんなものは売れない」と言われていたそうです。
それから、漫画界の巨匠、手塚治虫さんはずいぶん昔の人に感じますが、 実はやなせさんよりも10歳年下。 ご一緒に仕事をしたこともあるそうです。
本書の中で、印象にのこった言葉をいくつかご紹介します。
『正義はある日突然逆転する。 逆転しない正義は献身と愛です。』
昨日まで正義だとされていたことが、次の日は悪になる。 戦争を経験したやなせさんの重い言葉です。
『悪人といえども、全部まっくろの悪人じゃない。 善人のも悪い塊はある、悪い人間にも善良な部分はある、 ただ悪いやつには悪い分量が多すぎるというだけで、全部まっくろじゃない』
アンパンマンにでてくる、ロールパンナちゃんは、そんなことを意識してつくられたキャラクターだそうです。
「子ども向けの話だからといって、善と悪の対決だけにはしたくなかった」。 そんなことも書いてあります。
実際の現実世界でもそうですよね。 完全に悪/善にわけられるなら苦労しない。
グレーの部分がみんなにあって、それがその時、環境によって変わってくる。だから難しい。
『メソッドをつくる簡単な方法はなくて、やってやってやりまくっているうちにいつの間にかできてくる』
『とにかく何かをやりたいと思ったら、他の教養もつけないとダメ。ひとつだけだとそこから出られません』
仕事観のお話。 一見反対のことを言っているようですが、 まさにやなせさんの人生を表している気がします。
漫画家としてのヒットに恵まれず、とにかく色々なことをしてきたやなせさん。
でも、漫画への思いはずっと持ち続けていた。そして、詩や童話も好きで、そちらの知識があった。
だから、晩年、絵本作家として花開くこととなったわけです。
教養は、「武器」になる。そんなことをおっしゃっています。
育児の中で「アンパンマン」に助けてもらったこと。数えきれません。
子どもはなぜかアンパンマンが大好き。子どもは丸顔が好きだからかな?と以前は考えていました。
でも、今になって気づきます。
ヒーローらしくないヒーロー。弱点も多く、すぐにヘロヘロになってしまう。 正義だ正義だといばらない。憎めない悪者たち。懲らしめるけど、追い詰めない。
そんなやなせワールドに、子どもも大人も惹かれているんです。
この本は、「アンパンマンのマーチ」の歌詞の紹介で終わります。
歌の中の、「愛と勇気だけがともだちさ」というフレーズ。なぜ『愛と勇気だけ』なのか?不思議に思った方もいるかもしれません。
実際に、抗議がきたこともあったそうです。でも、ここにはやなせさんの正義観がこめられているんです。
他にもたくさん面白いエピソードがつまっています。おすすめです。