あかちゃんの心肺蘇生法(その2:なぜ必要か)


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昨日の続きです。「心臓マッサージなんて、そんなこと一般の人がやってもいいの?」

そう思う方もいると思います。

この記事は連載の一部です

赤ちゃんの事故と心肺蘇生法

急に心臓が止まってしまうこと。そのほとんどは病院以外、医者がいない場所で起こります。

院外の心停止発生件数は、一年で10万件。

多いのはお年寄り。15歳以下でいうと全体の2%ほど。でも、その2%のうちの半分が、1歳未満の乳児なんです。

この危険度は、50代の方と同じ発生リスクだそうです。

そして、乳児ですから、その発生のほとんど(80%)は自宅(2002年統計)。家族の目の前で起こります。

救急車を呼んだ場合、平均7分ほどで到着します。しかし、その到着前の5分間、何も対応せずにいた場合、 多くは「救命不能」「重篤後、後遺症」という結果になる、ということです。

心停止になる、きっかけとは?

心肺蘇生法を学ぶ理由がわかりました。 でも、まず心停止になることを未然に防ぐことが大切です。原因はどのようなものでしょうか。

0歳児の原因。1位は、窒息。

小さいあかちゃんはなんでも口に入れてしまいます。そして意外と大きなものでも入ってしまうんです。 (一般的に「トイレットペーパーの芯を通るものは口に入ってしまう」と言われています)

のどに詰まって、窒息。 この場合は、まず詰まったものを出す必要があります。

2位は家の外(車など)、3位は転倒転落です。

1~4歳の原因 1位は、家の外。

チャイルドシートに乗せないまま交通事故。 自転車に乗っていてヘルメットをつけていないまま転倒。など、未然に防げる事故も多くあるようです。

2位は溺水。 幼児は数センチの水でも溺れます。 プールでおぼれる、というよりは家庭でお風呂の残り湯に溺れる危険性が高いようです。

3位は窒息。

以前、「ヒヤリ、ハット」という記事を書きました。(記事)

そちらで、乳幼児で起こりやすい事故シチュエーションについてまとめたホームページなどをご紹介をしています。

講習中、講師から参加者に質問がありました。

「心肺蘇生法、習ったことがある方?」半分くらいの方、挙手。

「実際におこなったことがある方?」数名。

「おこなうのが怖いと思う方?」ほとんどの方、挙手。

具体的に何が不安か?という講師の質問に対して、一人の女性が手をあげました。

その方は、息子さんが3か月の時に、自宅で心停止をした経験があるそうです。

とにかく夢中で心肺蘇生法をおこなった。 人工呼吸で少し息を吹き込むと、風船のように小さな肺が膨れ上がる。 破裂してしまうのではないか、という恐怖。

そして、心臓マッサージをおこなうときにも、小さな身体が骨折してしまうのではないかと、とても不安だったそうです。

それに対し、講師の先生はきっぱりとこうおっしゃいました。

「正しくなくても、絶対に何もしないより何かやるほうがいいです」

「何もしなければ、救命できないことはわかっているのだから」

「だから、何か行動を起こす、勇気を」

そうなのです。自分がおこなっていることが正しいのか。むしろ症状を悪化させてしまうのではないか。それが私も一番の不安でした。

でも、何もしなければ助からないのなら、絶対に何かをしよう。 そう強く思うことができたのが、今回の講義での一番の収穫でした。

そして、実際に自分の子どもが目の前で心停止を起こしてしまったという方が、近くにいる。

現実を目の当たりにして、気持ちが引き締まりました。

この記事は連載の一部です