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せかいのひとびと(ピーター・スピアー)


25×35cmくらいの、大きめの絵本。

「いま、地球にはどれくらいの人がいるか知っている?」 という問いかけから始まります。 そして、人はみんな人それぞれ。

からだが大きい人、小さい人、中くらいの人。

はだの色もちがう。目も、鼻も、口も。

着るものも、おしゃれも。

しんせつなひともたくさん。悪い人も少しはいる。

あそびだって、その国々、人によって違う。

同じことで 笑う人もいれば泣く人もいる。

みんなでいることがすきな人も、ひとりがいい人も。

食べ物も、ある食べ物は宗教のきまりでたべられない人も。

仕事のこと。 お金持ちの人、貧しい人。

言葉、手話、文字。

いじめなどのつらいニュースを見るたびに、子どもには、学校と家庭以外の居場所をいくつか持たせてあげたい、と思います。

1つの居場所でどうしようもないほどつらいことがあったときに、他にも世界はたくさんある、そう思ってほしいから。

もちろん、そう簡単にはいきませんよね。

多くの子どもにとっては、学校の人間関係がなによりも重要で、そこから外れることは本当にきつい。それは自分の経験としてもよくわかります。

でも、頭の片隅で、そこが世界のすべてではない。すこしでもそう思えたら。

「多様性」という言葉は、言葉で言うのは簡単ですが、 なかなかイメージがしづらいものです。

この絵本は、世の中には本当に様々な人がいて、様々な世界があるということを、たくさんの絵によって表現しています。

たとえば、鼻の形だけで、50個以上もあるんですよ!

本にこんな台詞があります。

「ある人たちは 自分と ちがっている というだけで よその人たちを きらう。 そんなことって おかしいよ。 その人たちは 自分たちだって ほかの人から 見れば ちがっているって ことを わすれているんだ。」

「みんながちがっているって すてきでしょ」と。

この本を読みながら、夫が息子に言ってたこと。

「パパは君のことが好きだよ。 それは、君がなにができるからとか、いい子だからとか、そういうことではないんだ。君が君だから好きなんだ。」

息子がこの言葉を理解できるのはずいぶん先のことでしょう。

でも、いつか、大人になるころにでも、ふと、「あんなこと言ってたな」と思い出してもらえたらいいなと思います。

金子みすゞさんの有名な詩。「わたしと小鳥とすずと」に出てくる、 『みんなちがって、みんないい。』にも通じる、いい絵本だと思います。