【女性専門の理学療法士からの助言】ママの悩みに多い、便秘。無理ないきみは身体にダメージを与えます!


ママの悩みのひとつ、便秘。

特に産後ママは、こんな状況の方も多いと思います。

  • 出産時の会陰切開の痛みが怖くていきめない
  • もよおしたのに子どもから手が離せず、つい後回しに
  • 母乳で水分取られてなかなか出ない…. 

でも無理にいきんで出そうとすると、女性の身体にとって大切な「骨盤底」にダメージを与えるということ、ご存じでしょうか。

今回は自分を守るための排便についての知識。

女性専門の理学療法士・大林松乃さんに詳しく教えてもらいました。

【過去好評だった大林さんのコラムです】

骨盤底にダメージを与えると年をとったときにどうなる?日常の意識で変わることは?

出産を経験した人にぜひ知って欲しいこと。快適なカラダづくりは今が肝心です!(前篇)

出産を経験した人にぜひ知って欲しいこと。快適なカラダづくりは今が肝心です!(後篇)

骨盤底とは?

骨盤底は、骨盤の一番下で身体をささえる、線維性の組織と骨格筋で構成されるもの。

子宮や直腸などの臓器を支えているのが、骨盤底筋群と呼ばれるハンモック状の筋肉群。この骨盤底筋群にダメージが蓄積され弱くなると尿漏れ・臓器脱などのトラブルが起こります。

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注意!無理にいきむと骨盤底にダメージが

骨盤底は、ただでさえ出産でダメージを受けています。

便秘だからといってトイレで「間違った姿勢」で長時間いきむことは、骨盤底にとって負担が大きい。

そして痔の方は、悪化させることにもなりかねません。

負担が重なれば尿漏れや子宮脱などのトラブルにつながる可能性もあります。

排泄・排便は毎日のこと。 

そこで、今回は身体の仕組みを利用してできる、排泄時の姿勢の工夫についてお伝えします。

昔の生活は、理にかなっていた

畳上での立ち座り、床拭き、徒歩移動、農作業……。

昔の生活は、自然と骨盤周囲の筋肉が鍛えられる機会がありました。

特に和式トイレで強いられるしゃがみ動作。

しゃがむことで骨盤周囲の筋肉の中でも底の部分にある大きな筋肉が緩み、立ち上がる際にキュッと引き締まります。

排泄動作そのものが、骨盤底の筋肉を鍛える大切な機会となっていました。 

最近は生活の欧米化が進み、和式トイレはあまり見られなくなってきました。 

しかし、いわゆる「ウンチ座り」と言われるあの和式トイレでのしゃがみの姿勢こそ、排便の仕組みと骨盤底への最小限の負担で排便ができる理想的な姿勢なのです。

肛門直腸角について知る

人間の肛門付近には体がまっすぐな状態で便が勝手に漏れたりしないように、 肛門直腸角という角度がついています。

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真っ直ぐに寝た姿勢や立った姿勢で90度。

体がまっすぐな状態やゆったりと座った状態の時、この角度があることで便を留めてくれているのです。

排便をスムーズに行うためにはこの留める角度を緩ませ、便の通り道をつくってあげることが必要となります。

そこで行ってほしいのが前かがみの姿勢。

このとき、身体と太ももの成す角度が90度以内であると理想的です。

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肛門直腸角は身体を前かがみにすることで鈍角となり、便が出やすい道ができます。

また前かがみになることで、肛門周囲の筋肉が排便に適した状態に緩みます。

いきみを便を押しだす方向へ効果的に利用することができるので、余計な力で骨盤底を傷つけるのを防ぐことができます。

和式トイレの「ウンチ座り」の姿勢がなぜ良いのか、このことからもわかります。 

現代の私たちの暮らしのいい姿勢

洋式トイレの場合。ただ前かがみになることで解決するかというとそうとは限りません。

ここでポイントとなるのが骨盤の傾き。

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上の写真。一見前かがみになっているように見えます。 

でも足の裏がしっかり接地していないために、骨盤の位置が安定していません。

骨盤の適度な傾きは、排便のために必要な筋肉をゆるませます。

「排便に適した前かがみ」になるためには背中を真っ直ぐに伸ばし、足の裏でしっかりからだを支えることが必要です。

洋式トイレは日本人の体格にあったつくりになっていないことが多く、しっかり足の裏が付かない高さであることもしばしば。

足の裏がしっかりと着くか着かないかは姿勢を安定させるために大切なことなのです。

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このように、足台などを使って姿勢を工夫すると理想の姿勢になります。

排便の時には、足の裏がついているか・前かがみになっているか、ぜひチェックしてください。

こぼれ話:子どもの姿勢をよくしたいなら

背中が丸まった、子供の姿勢、親としては気になりますよね。

実はこれも排便姿勢と同じ。足の裏をしっかりとつけることで姿勢がぐっとよくなります。

「背中を真っ直ぐにしなさい」 ついつい 言いたくなりますが、その時には足元をみてみましょう。


【この読み物の著者】

大林さんプロフィール

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