子どもが習い事を辞めたいと言ったら


4歳の息子が通うスイミングスクール。二ヶ月に一度、進級試験があります。

少し前に、黄色帽子からピンク帽子にクラスが上がって大喜び。「がんばってすぐに赤帽子になっちゃうぞ〜」と息巻いていました。

ところが、ここしばらく浮かない顔をしています。

スイミングお休みしようかなあ。体調もあまりよくないし…。なんて大人みたいなことを言うようになりました。

そして、ある日ついに「スイミング、辞めたい」。

どうしたの?理由を聞いてみると、「足がつかなくて怖い」とのこと。

クラスは上がったものの…

スイミングの帽子

幼児向けのクラス。プールの底に厚い板を敷いて、足がつくようになっています。

でもレベルが上がるにつれて、少しずつ板の数が減っていく。

進級した息子は、難しいことにもチャレンジするように。足がつかないところに飛び込んだり、仰向けでプカプカ浮いてみたり。

「もし、おぼれちゃったら?」「もし、先生が助けてくれなかったら?」

何度勇気づけても、それを考えるだけで怖いというのです。

できているのに、怖い

「でも、できているよね?」

そう、できているんです。保護者席から見ていても、別に怖そうではありません。

「できているけど…。怖いの…」

今までの4年間。できること・できないことは、常にはっきりしていました。

できることは自信満々。「見て!見て!」と言いながら何十回でも繰り返す。一方で、できないことは「無理!」。

できているのに実はつらい気持ちだった、というのは、今回がはじめてです。

やればできるけど、怖い。でもせっかくピンク帽子になったんだし…。そんな葛藤が息子の中にあったのでしょう。

辞めたい理由はそれだけでした。

「それなら一旦、黄色帽子に戻してもらおうか?」と夫。こういうとき夫は、あっさりレベルを落として、その中で自信をつけることを選びます。

一度は嫌と答えた息子でしたが、怖い気持ちが勝ったようで、すぐに了承。

自分の口で伝える

スイミングの先生に、まずは電話で相談。そして、当日。先生の前で息子が口をひらきました。

「怖いので、黄色帽子にもどしてほしいの」

先生は、レッスン前の忙しい時間にもかかわらず、しっかりと息子の話を聞いてくれました。

そして、「◯◯くんはピンク帽子の力があるから、帽子はそのままでいいよ。でも、レッスンは黄色帽子の内容に戻してみよう」

そう提案してくれました。

息子が自分の口で主張できたこと。とてもよかったと思います。そして、それをきちんと受け止めてくれた先生にも感謝しました。

うまくいかない葛藤を、受け入れる

習い事を辞めたい。子どもがそう言ったとき、親はどう対応すべきか。

これまで「辞めたい」とはっきり言われたことがなかったので、今回はすこし悩みました。

子どもの意志を尊重してやめさせるべきか。とりあえず一ヶ月くらいおやすみしようか。激励して続けさせようか。

きっと正解はないんですよね。子どもの性格と状況によって、なにがベストかはその時次第。

ただ、ひとつポイントがあるとすれば。子どもの「うまくいかない葛藤」を、親がまずきちんと受け入れてあげる。そういうことではないかと思います。

幼児期の習い事は、親が選ぶことがほとんど。

そのため自然と、「親自身がやってよかったと思っているもの」か「親自身がやっておけばよかったと思っているもの」になります。

だから親には、その習い事をすることで、うまくいっている未来の姿、いいイメージがある。

でも幼児は未来の想像なんてまだ無理。「うまくいっている姿」をイメージすることはできません。

目の前のことに向き合い、それができた・できないという部分でしか、今やっていることを評価できないんです。

「続けてよかったと後で思うようになるから」という言葉は通じません。

加えて、幼児期のうまくいかないことのほとんどは、親にとっては些細なこと。

だからつい気軽に「大丈夫だよ。できるよ」と言いがちです。でも、子どもにとっては一大事なんですよね。

このギャップを親が認めることが大事だなあ、と改めて気づかされました。

大人になってしまうと忘れてしまう葛藤がある。それをしっかり意識しながら、これからも向き合っていこうと思います。