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フランス子育て日記:アヒルのおばあちゃん(前篇)


私が「アヒルのおばあちゃん」と呼んでいるフランスのおばあちゃんたちがいます。特定のどこかのだれか、というわけではありません。

それは街をゆく、おしゃれなおばあちゃんたち。決まって豊かな白髪を、パーマでふわふわっとさせています。そして ちょっと小柄で、きっちりお化粧もしている、きちんとした身なりの老婦人たち。

すれ違うたびに、素敵に年齢を重ねた人たちなんだろうなと感じます。あんな風にきれいに年をとりたいな、とも。

雨の多い気候のナント。

曜日ごとに各地の広場で開かれるマルシェに、雨の日に現れるのがアヒルのおばあちゃん。そう、おしゃれなおばあちゃんたちが、雨の日にはレインハットをかぶって登場するのです。

主人に言わせると「昔はもっとよく見た」というビニール製の小さなレインハット。

残念ながら写真はないのですが、その形とイメージは、このイラストのアヒルそのもの。というわけで「アヒルのおばあちゃん」なのです。なんて愛らしい! 

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マルシェでそういうおばあちゃんを見かけるたびに、子供と一緒に、こっそりにこにこしていた私ですが。

これはある日のこと、そんなおばあちゃんのひとりとのおはなしです。

ナントでは、道路沿いや公共の駐車場などに、空きビン用のリサイクルボックスが設置されています。

紙・缶はマンションのゴミ捨て場に捨てることができるのですが、なぜかビンだけこういう仕組み。そこに、空きビンを捨てに行った時のことでした。

リサイクルボックスのすぐ前に、ききーっと止まった小型自動車から、おばあちゃんがさっそうと降りてきました。ふわふわした白髪、青い瞳のきれいな老婦人です。

こんにちは、マダム。私が挨拶すると。あら、こんにちは。ねえあなた、ジャムの空きビンいらない?と突然の質問。もちろん、初めて会う方です。

後篇に続きます。

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